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科目名 非線形動力学特論 および 複雑系物理学セミナーII担当 上江洌達也(複雑系研究室)高校生の皆さんへ何かを覚えたり(記憶),思いだす(想起)ことができるのは脳の働きによることは,誰でも知っていますが,その仕組みはどうなっているのでしょうか? 人の脳は,大きさが0.1mm程度の神経細胞(ニューロン)が約130億個集まって できています。これらのニューロンどうしはつながりあってネットワークを 形成しています。講義では,ニューロンの働きや,記憶がどこで行われるか を簡単に説明します。次に,このようなニューロンの構造や働きを簡単化し て数学的に表現したモデル,ニューラルネットワークモデルにおいて,記憶 の埋め込みや想起,学習などが実現できることを説明します。
思いだすプロセスのコンピュータによる模擬実験
(a): 記憶されたパターン (b): (a)が乱されたパターン
学部生の皆さんへ脳をモデル化したニューラルネットワークモデルにおいては,極めて多数のニューロンがお互いに相互作用することによって,記憶の埋め込みや,想起, 学習などを実現できます。このモデルの解析には,物理学の手法,特に統計 力学が極めて有効です。講義では,記憶容量や,想起の条件,また,学習の 進行過程などについて,解説します。 興味を持った人達へのアドバイス一般向けの解説書「記憶力を強くする」,池谷裕二,ブルーバックス(2002年) 学部学生向け参考書 「ニューロコンピュータの基礎」 中野薫 編著,コロナ社 「ニューラルネットワークの物理モデル」 タマシ・ゲスチ,吉岡書店 (1992)
物理科学科 入試・広報委員会 |
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